普段仕事をしていると「家は水道料金がとにかく高い。お隣と同じ4人家族なのに水道料金が倍近く違うの。不思議・・・」と、お客様から相談を受けることがあります。
その相談のほとんどは、水道料金が高くて「漏水してるんじゃないか?」と心配されてのものが多いと感じます。そこで「お宅の水道基本料金は、お幾らですか?」と聞くと、ほとんどの方は自身で支払っている水道基本料金を把握されていません。
水道局の人に、「家の水道代高すぎませんか?ひょっとして漏水していませんか?」と聞いてみると、詳しい説明も、調査もなく「こんなもんですよ」と言われた。と、どこか納得できない様子の方が多く見受けられます。これは水道料金の仕組みと計算方法を知らないことで起こる、何かモヤモヤした気持ちなんだと思います。
そこで今回は、どこか納得できないモヤモヤした気持ちををスッキリしてもらう為に、水道基本料金に焦点を当てて分かりやすく解説します。水道局の水道料金等の計算方法などの情報では分かりにくい部分も分かりやすくまとめました。
水道料金には2つの項目がある
2カ月に一度支払う水道料金は何気なく支払っている方が多く、その料金の内訳けをしっかり把握している人は案外少ない。そのため、全体の水道料金を見て高いと悩んでおられる方が多く見られます。まずは水道料金の内訳けを見てみましょう。
水道料金には下記のように
- 水道基本料金
- 水道使用量による料金
の2つの項目があります。
水道基本料金は固定された料金で、水道使用量による料金は使用した水量により変動する。基本料金+水道使用量=水道料金と、ここまでは単純な計算なので、こんな説明ページが本当に必要か?と思えてくる人も多いでしょう。(笑)
前置きが長くなりましたが、水道使用量についてはまた別の機会に紹介させていただくことにして、今回は水道基本料金をもう少し詳しく見ていきましょう。
同じ地域(市)でも家庭ごとに違う水道基本料金
- 水道基本料金は自治体ごとに違うこともあり一概には言えませんが、基本水量(1カ月10m3)が含まれています。10m3(10リッポウメートル = 1万リットル)
- 基本料金は水の使用対価のほか、メーター検針、料金収納などの経費を補うためにあるものなので、水を使用しなくても必要になる金額です。
これはご存知ない方も結構、多いのではないだろうか?水道料金が高いとお悩みのお客様に、このお話しをするとほとんどの方が初耳らしく、「だから高いのか~」と納得される方も多くいらっしゃいます。では何故このように、家庭によって料金が違うのでしょう?
水道管の太さで基本料金が変わる
- 13mm = 1,720円 (2カ月分)
- 20mm = 2,340円 (2カ月分)
- 25mm = 2,920円 (2カ月分)
水量が多く必要な空港施設などでは太さ300mm以上では水道基本料金は81万6,145円(1カ月)にもなる。
これは東京の水道基本料金ですが、一番安いお宅と一番高いお宅では、ひと月で最大1,260円の差が生まれる。2カ月に一度支払う水道基本料金の差は、1,200円の差があることになる。
インターネット回線では、回線のスピードによって料金が変わるのとイメージが似ていますが、
水道基本料金は供給量によって支払金額が決まります。
何故、家庭ごとに水道管の太さ(供給量)が違うのか?
その理由は、上の画像のイメージで考えると分かりやすい。
1階部分にしか水まわりがない一世帯住宅と2階にも水まわりがある2世帯住宅で水道管の太さが違う。(一概にはいえませんが)
特に最近の2世帯住宅ではキッチンのみならず、トイレ・お風呂まで分けていることが多くなってきています。あくまでイメージですが、1階・2階で同時にお水を使用した時に水道管の太さが13mmだと水圧弱っつ!!ってことになってしまいます。(笑)
お風呂でシャワーを使っているときに、台所で洗い物をされると水圧弱っつ!!ってことです。(笑)
水道管の太さは誰が決めるの?
水圧弱っつ!!ってならないために、水道局指定業者が水道の口径を決めます。
給水装置工事を行うときは、水道局への申請・手続きが必要です。なお、水道局への申請・手続きについては、指定給水装置工事事業者に委任していただき、委任を受けた指定給水装置工事事業者が申請から工事完了まで責任をもって行います。
とあるように、給水装置工事主任技術者試験にも給水装置計画論が出題され、計画使用水量・総損失水頭・計画最少動水圧・水圧変動・その他などが出題される。
上記はその一例だが、
- 給水管の口径 20mm
- A~Bの水平距離 19m
- B~C間の鉛直距離 2m
- 水道メーター・給水用具類による損失水頭の直管換算長 20m
- A点における配水管の水圧水頭として 35m
C点の吐水量は毎分何??という問題である。計算式は長くなるのでここでは省きますが、
答え:70?/分となります。
このように水道局指定業者が、その家に合った水道管の太さを決めています。
家の水道管の太さってどこで分かるの?
ではあなたのご家庭では、何口径の水道管が引き込まれているのかご存じでしょうか?主に水道管の太さを知るには2つの方法がある。下の画像をご覧いただきたい。
左は水道料金の明細書で、よく探してもらえば口径mmという項目があるはずなので、こちらで判断できる。もし、水道料金の明細書が見当たらない場合、水道メーターのフタ(右の写真)の表か裏に口径が表示されているので、こちらで判断することができる。
地域(市)によって違う水道基本料金
ここまで個別住宅の水道管の太さで水道基本料金の違いを説明してきましたが、ここからは地域毎に違う水道基本料金について、見てみましょう。
基になる水源の綺麗さ
これは、その地域で利用している水源が綺麗か汚れているかで考えると分かりやすい。水源が綺麗であれば浄水するのに費用は少なく済むし、逆に汚れていればいるほど、人が飲める状態まで浄水するのに費用は多く掛かる。
水源までの距離
水道水を運ぶのに、水源までの距離が近ければ、設備費も少なく済むが遠ければ遠いほど、設備費も多く掛かってきます。
正常な状態を保つための維持費
水道管が破裂した時の修復費などのほか、掛かってくる維持費
家の地域の水道基本料金はいくらなの?
ここまで読んでいただいた方は、
- 水源が綺麗
- 水源に近い
- 維持費が少ない
イコール、水道基本量は安いと想像されたと思います。(笑)ここに大阪市が発表した口径20mmの水道管の平均水道代のグラフがあります。このグラフを見ると面白いことが分かります。
大阪府下は水源が淀川(守口市)で同じであること。それぞれ違うのは水源の距離・維持費である。面白いのは水源に一番近い守口市が水道料金のランキングで14位ということです。(水道基本料金+使用水量含む)水源に近いから設備費・維持費も少ないイメージでした。
このグラフでは(口径20mm・1カ月に20m3ご使用の場合)の1カ月の料金なので×2する必要がある。(1回の請求額を把握するのに)
ここに同じ平成26年の八尾市の水道明細書がある。口径13mm・使用水量48m3(一カ月では24m3)なので、おおよそ信頼できるグラフと言える。
水道基本料金の計算方法
ポイントは、その地区に住んでいる人口でした。
浄水費 + 設備費 + 維持費 ÷ 人口 = 水道基本料金となる。
日本で一番水道基本料金が高い地域は北海道夕張市の(基本20[m3] 6,652円、超過1[m3]につき369円)とのこと
現在お住まいの地域の基本料金が知りたいという方は、【○○市 水道料金の仕組みと計算方法】で検索することで、お住まいの地域の水道基本料金を調べることができる。
水道基本料金の計算方法まとめ
- 水道明細書か水道メーターで水道の太さ(口径)を調べる。
- 【○○市 水道料金の仕組みと計算方法】で検索
- 1.で調べた口径の基本料金を調べる
基本的にどこの地域の水道局も一カ月(基本20m3)で水道代は幾らと表示されていますので、これを基準に自分の家では何m3使用しているか見てみよう。一カ月水道使用量が60m3とかになっていれば、漏水を疑ってもいいかもしれない。
また、引っ越しのご予定がある方は、水道基本料金を調べて安いところに引っ越ししてみてはどうだろうか?(笑)
ここまでは、基本料金について詳しく見ていただきましたが、水道料金のしくみと計算方法を詳しく知りたいという方は、水道料金を左右する1番のポイント逓増制を分かりやすく解説をご覧ください。
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